最新の就職人気ランキングが発表されましたね。
2019年10月1日から2020年3月15日までに集計された、21卒就活生の就職人気ランキング(前半)によると、前年対比で、みずほFGが7位→15位、三井住友信託銀行が88位→26位、三菱UFJ銀行が12位→33位、三井住友銀行が30位→42位と、採用削減の影響により、全体的に銀行の人気は下降傾向にあります。
Reference:就活生2.4万人が選んだ「就職人気ランキング」
ただ今後は、新型コロナの影響で不況になる可能性が高いため、安定しているイメージのある銀行の人気はまた上がると思います。
では、なぜ銀行は安定していると言われるのでしょうか?
実はこれ、銀行のビジネスモデルを考えるとよくわかるんです。わかりやすくする為に、銀行と同じ金融業界の証券会社と比較してみましょう。
証券会社は、顧客に「株」や「債券」といった金融商品を売って利益をあげています。ただ、商品が売れないと利益はあげられませんから、営業をしなくなると、業績は急激に悪化します。
一方、銀行も金融商品を売って利益をあげているのは証券会社と同じです。しかし、決定的に異なる点があります。
それは、預金と貸金があることです。この為、極端な話、銀行が営業しなかったとしても証券会社のように業績が急激に悪化することはありません。
例えば、1%の金利で預金を集めて、それを2%の金利で企業に貸し出すとしましょう。そうすると、その差1%は銀行の利益になります。
銀行に1000億円の預金と貸金があった場合、 10億円(1000億円 × 1% )もの利益を、銀行は営業をしなくても得ることができるんです。
銀行にとって預金は、一般企業で言うところの借金です。なので、銀行にとっての借入金利は、預金者に支払うことになります。
つまり、先ほどの例では1%で説明しましたが、実際は1%にも満たない金利で預金者からお金を集めて運用しているのです。
ちなみに、最終的なもうけを示す純利益が、国内の銀行グループで初めて1兆円を超えた三菱UFJフィナンシャル・グループの当時の預金残高は153.3兆円、貸出残高は109.4兆円です。
Reference:【MUFG】2015年3月期決算説明会
しかし、証券会社はこうはいきません。毎日毎日、必死に営業をしないと利益をあげることはできません。
銀行のように、営業をしなくても利益があがるビジネスモデルをストック型のビジネスモデルといいます。一方、証券会社のように、毎日営業をしないと利益があげられないビジネスモデルをフロー型のビジネスモデルといいます。
証券会社に限らず、多くの企業はフロー型のビジネスモデルなので、常に営業マンが走り回らないといけません。そして、こうしたフロー型の場合、景気が悪くなると途端に業績が悪化してしまいます。
一方、銀行のようなストック型の場合、営業マンがまったく仕事をしなくても、一定の売上が確保されます。そのため、不況になったとしてもフロー型の企業よりも安定した経営が行えるのです。
これが銀行が安定していると言われる理由です。
最近では、マイナス金利の影響やフィンテック企業の攻勢を受け、行員の削減や従来のビジネスモデルの見直しなど、課題山積みの銀行ではありますが、今後、新型コロナの影響が顕著に現れてくると、銀行の役割はこれまで以上に大きくなります。
「銀行が人気があるのは、安定しているから」だけとは言わせない動きで、この状況を打破して欲しいものです。
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