銀行に興味のある学生さんの多くは、コンサルを志望しています。その根底にあるのは、「企業を支援したい」という想いであることが多いです。
そんな熱い志を持った学生さんとの会話の中でよく出てくるのは、「銀行とコンサル、どちらの方が影響力がありますか?」という質問。
でも、実はこの質問はナンセンスなんです。なぜだかわかりますか?
それは「顧客が決めること」だからです。
コンサル会社に「いいアドバイスをもらった」と感謝する顧客もいれば、「銀行に融資をしてもらったお陰で工場を建てることができた」と喜ぶ顧客もいます。
ですので、どちらの方が影響力があるかは、顧客の置かれている立場によりますので、どちらがいいとは一概に言えません。
「じゃあ、どうやって決めればいいの?」
ということになりますが、そこで登場するのが、業界を比較するという方法です。
コンサルと金融で共通していることは、個人や企業をサポートすることですが、注目すべきは、サポート手段が「ヒト」か「カネ」かということ。
「ヒト」とは、すなわち「問題解決力」のことです。
問題解決力でいうと、コンサルの右に出る会社はないでしょう。なぜなら、問題の解決策を提示することが、コンサルの強みだからです。
もし、他の業界の方が問題解決力があるなら、コンサルは恐らく存在できないと思います。そのため、コンサルは、優秀な「ヒト」を採用することで他社と差別化を図ろうとするのです。
また、コンサルの特徴として、アドバイスを通して様々な業界と関われるため、業界特有の専門知識やプレゼン能力を身につけることができます。さらに、アドバイスは、主に経営者や経営に近い人物に行うので、経営に関わることもできます。
一方、金融が扱う「カネ」も、メーカーが扱う製品のように、”色”が付いているモノではありません。ですので、コンサルほどではないですが、人間力が求められることになります。
また、お金を取り扱っているため、付き合う業界は幅広くなります。加えて、経営者と会う機会も多いため、経営に関わることもできます。
「人間力が求められる」「様々な業界と取引がある」「経営に関われる」など、コンサルと共通点が多いため、ここまで見ると、金融とコンサルは、あまり違いがないように思われるかもしれません。
しかし、決定的な違いはあります。
それは、冒頭で挙げたサポート手段、すなわち、「アドバイスを具体的な形にできるかどうか」ということです。
例えば、コンサルと銀行が同じアドバイスを経営者にしたとしましょう。そのアドバイスによって、経営者は事業を拡大する為に、ある会社を買収するとします。
その場合、コンサルの仕事はアドバイスまでですが、銀行なら実際に買収のための資金を出すことができます。
また、銀行は資金を出したにも関わらず、その会社の業績が悪化すれば、貸した金が回収できなくなるリスクがある為、資金を貸す前や貸出中は、かなり深くまで経営に関与することになります。
これが、金融とコンサルの大きな違いです。
実際、僕が就活をしている時は、コンサルに内定をもらっていましたが、銀行を選んだ決め手はこの理由でした。
コンサルと金融は、「さまざまな業界と取引がある」「企業の経営に深く関われる」「人間力で勝負できる」など共通点もありましたが、「取り扱っているサービス」が異なるため、アドバイスを具現化できるかどうか、ということが金融とコンサルの大きな違いになります。
現時点で金融に興味を持っているのなら、こうした特長が、あなたが就活を進めるにあたっての判断基準、つまり、あなたの就活軸になりうる、ということです。
以上、業界を比較するやり方について説明してきましたが、ポイントは、どちらかを選ぶ決定打が見つかるまで比較を続けること。
そうしないと、就活の際に、論理的かつ自信を持って志望動機を話すことはできませんし、就職できても、仕事で嫌なことがあった際にすぐ転職することになりかねません。
銀行の赤本では、今回のような業界研究だけでなく、業種研究やカテゴリー研究、企業研究、職種研究を通して、あなたの就活軸を見つけるお手伝いをしています。
悔いのない就職活動にするためにも、一緒に頑張っていきましょう!
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