理系学生の多くが苦手意識を持っているグループディスカッション(以下、GD)。そもそも、なぜ企業がGDを実施するか考えたことはありますか?
GDの目的は、面接で見えない行動特性を確認すること
GDをする目的は、大きく2つあります。1つは「 採用選考の効率化」、もう1つは「個人面接で見えない行動特性の確認」です。
「採用選考の効率化」に関しては、複数人を一度に選考することができるので、イメージしやすいと思います。「個人面接で見えない行動特性の確認」に関しては、実際に他者との関わり方を見ることで、仕事をしている姿や対人能力を確認しています。
対人能力に関しては、GDを見ることで様々なことがわかります。詳細は後述しますが、例えば、コミュニケーション力、気配り、課題解決力、論理的思考力、プレゼン力、説明力などが挙げられます。
GDのテーマは3つ
次に、GDで出題されるテーマですが、大きく3つ、「ディベートタイプ」「定義づけタイプ」「課題解決タイプ」に分けることができます。
「ディベートタイプ」とは、「今の就職活動の在り方に、賛成か反対か」など、2つの立場に分かれて、あるテーマについて議論するタイプの課題です。
「定義づけタイプ」とは、「ビジネスで活躍できる社会人は、どんな社会人か?」など、なんらかの定義づけを求められるタイプの課題です。
「課題解決タイプ」とは、「大学生が勉強しなくなっている状況は、どうすれば解決できるか」のような、なんらかの課題の解決策を提示するタイプの課題になります。
GDの評価方法
GDの流れは、「①協力する、②答えを出す、③発表する」という3ステップに分解できるため、「①チームとしてまとまっているか、②1人では導き出せない回答を導き出せているか、③発表の仕方は適切か」ということが評価項目になります。
そのため、①に関しては、「纏まらないことをしない」、②に関しては、「回答は意見を出し合って導き出す」、③に関しては、「結論→根拠→裏付けの順番に話す」ことが評価のポイントになります。
つまり、①非協力的なことをする、②時間内に答えを出さない、③わかりやすく伝えられない場合は、①コミュニケーションや気配りができない、②課題解決や論理的に考えることができない、③プレゼン力や説明力がない、という評価になるわけです。
したがって、どのステップで最も自分をアピールできるのか(自分が何の役割に向いているのか)、本番までに把握しておくことが重要です。
GDで効果的なロジックツリー
GD対策で重要なことは、上記の各ステップ、「協力する」「答えを出す」「発表する」を”きちんと”行うことです。
①に関しては、GDを実際に行ったメンバーからフィードバックをもらうこと。対人能力は、相手がどう感じるかが重要です。自分が出来たと思っているだけで、実際は出来ていないということを防ぐためにも、自分に対する印象を確認するようにしてください。
②③に関しては、「ロジックツリー(下図ご参照)」を活用する方法が効果的です。ちなみに、先ほどGDのテーマは3つあると言いましたが、「結論→根拠(切り口)→裏付け」の順番に発表をすることは共通しているので、いずれのテーマでも使えます。
GDのポイント
ロジックツリーを使うメリットは、3点あります。
- 議論を俯瞰できる
- 議論の切り口や深掘り度合いが明確になる
- 発表しやすい
Ⅰに関しては、議論の内容を俯瞰できるので、議論の全体像が把握しやすくなります。
Ⅱに関しては、「何について議論しているのか(定義付け)」や「意見のフェーズ(出た意見が ”結論” ”根拠 ”裏付け”のどこに該当するのか)」、「切り口ごとにどれくらい議論を深堀りしているのか」を明確にすることができます。
ここで、議論の「切り口」や「定義付け」という言葉が出てきたので少し補足しておきます。
例えば、「東京と大阪、住むならどちらがよいか?」というテーマが与えられたとします。この場合、主観だけで「僕は東京!」「私は大阪!」と意見を述べてもディスカションにはなりません。でも、どちらが良いか決めにくいですよね?それは、人によって価値観がバラバラだからです。
そのため、”遊ぶならどっち?”とか、”一人暮らしをするならどっち?”、”就活するならどっち?”など、議論をする前に、予め前提条件を決めておく必要があります。これが議論の「切り口」や「定義付け」の意味です。
注意点としては、ロジックツリーに落とし込んで行く際は、切り口にモレがないか、また、似たような意見(ダブり)が出ていないかを確認する(MECEと言います)と更に良くなると思います。
Ⅲに関しては、ロジックツリーの構造自体が「結論→根拠(切り口)→裏付け」になっているので、記載している内容を「私は〜思います。その理由は3つあります。1つ目は~。2つ目は~。そして3つ目は~です。以上の理由から、〜思います」というように、結論から順に読んでいくだけで、論理的に発表することが可能になります。
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